この記事を読んでほしい方
- 士業(弁護士、弁理士、税理士、司法書士、社会保険労務士、中小企業診断士等)
- その他の個人事業主
- 事務員さん・パートさんを雇っていない社長(スタートアップやベンチャーの社長)
はじめに
弁理士の松本文彦です。
私は現在一人で特許事務所を切り盛りしていますが、様々な業務がありますので、何もかも全部一人で行うというのは現実的にはなかなか難しいです。
そこで、私は2017年の年末からオンラインアシスタントというサービスを使用しています。
飲み会等で他の士業の方に 「オンラインアシスタントって知ってます?」「オンラインアシスタントを使っているけど凄くいいですよ」 という話をすると皆さん非常に興味を示されるので、ブログにまとめることにしました。
オンラインアシスタントとは
バーチャルアシスタント やバーチャル秘書 、 オンライン秘書 とも言います。
自分が本業に集中するためにバックオフィス業務を任せることができるサービス で、利用者はチャットや電話(基本的にチャット)でアシスタントさんに仕事を依頼します。
アシスタントさん達は主に在宅で勤務しており、インターネットを活用して我々の業務を助けてくれます。子供が生まれて外に働きに出れないママさんが多いのかなと想像しています。
オンラインアシスタント運営会社によって異なりますが、依頼可能な仕事は以下のようなものが多いです。
- 経理
- 秘書
- Web
- 翻訳
- 人事
どのオンラインアシスタントサービスがいいの?
オンラインアシスタント・オンライン秘書のサービスを提供している会社は20社以上あるようです。
私は2017年の年末から2つのオンラインアシスタントのサービスを利用して、その後2018年3月に【フジ子さん】
というサービスにたどり着きました。
もちろん、今もフジ子さんを利用しています。
サービス名はダサいけど、そこはご愛嬌。
私が人柱となっていくつかオンラインアシスタントサービスを試したので、試すこと自体を楽しみたい人じゃなければフジ子さんを利用しておけばいいと思います。
必要なとき必要なだけ仕事を頼めるオンラインアシスタント【フジ子さん】
セキュリティは大丈夫?
利用者はアシスタントさんと会いませんからセキュリティについて不安だと思います。
利用者はフジ子さんの運営会社と秘密保持契約を締結し、各アシスタントさんは運営会社と秘密保持契約を締結しているので安心です。
なんとなく気持ちが悪いかもしれませんが、自社で雇ったパートさんが情報を漏洩する可能性もゼロではないですよね。
ちゃんと契約書がある分だけ、フジ子さんから情報が洩れる確率は低いと思います。
私が数あるオンライン秘書サービスからフジ子さんを選んだ理由
頼める仕事の種類が多い
基本的に、パソコンで行うことができることは全て頼むことができます。
個人事業主は何でもかんでも自分でやらなければいけませんから、頼める仕事が限定されているとオンライン秘書サービスと契約するメリットが半減します。
フジ子さんと契約すると、利用者一人一人にメインアシスタントさんが一人配置され、そのメインアシスタントさんにチャットで仕事を依頼すると、経理の仕事なら経理が得意なアシスタントさんへ、Webの仕事ならWebが得意なアシスタントさんへ仕事を割り振ってくれます。
実は、私がオンラインアシスタントサービスを使うのはフジ子さんで3つ目です。
他のサービスを使い続けなかった理由は頼める仕事の種類が少なかったからと、業務の区切りの単位が大きいから。あとは値段ですね。
あるオンラインアシスタントサービスでは、業務の区切りが15分単位で、例えば10分しか掛からない仕事であっても15分の仕事として扱われて5分無駄になるものがあるんです。
この点、フジ子さんでは1分単位のカウントです。
比較的安価
フジ子さんは(積極的には)広告を出していないらしく、他社に比べて安価です。
月30時間契約だと時間単価は2,300円、月50時間契約だと時間単価は1,980円です(2018年11月現在)。
つまり前者は月69,000円(税別)、後者は月99,000円(税別)です。
ぱっと見、安くはなさそうですが、後述するように仕事量が増減したときに契約時間を簡単に変更できることを考えると安いと思います。
仕事の進め方
チャットで「○○してください」とお願いするだけ。
私はチャットツールとしてチャットワークを使用しています。
私と直接会える方はチャットワークでの実際のやり取りをお見せできますので言ってください。
私がフジ子さんに頼んでいる仕事
パソコンで行うことができる仕事は基本的に何でも頼めます。
経理
- 私がScanSnapでスキャンした領収書をMFクラウドに取り込んで、それを元に記帳してもらっています。
別料金になるみたいですが、利用者は領収書を郵送するだけで、スキャンはオンラインアシスタントさんに頼むっていうのもアリなようです。 - 請求書発行
サイトの改修・更新
WordPressを扱えるアシスタントさんが在籍していますので、ウェブサイトの更新や簡単な修正を依頼できます。
一般調査
一般的なウェブでの調査をしてもらえます。
例えば、私はGoogle Homeのビジネスでの用途を調べてもらったことがあります。
調査結果として、ExcelやGoogleスプレッドシートでまとめたものをもらえます。
FAXに返信
私はメッセージプラスと言うインターネットFAXサービスを使っているので、 FAXへの返信をお願いしています。
例えば、会合の参加/不参加の問い合わせのFAXが来たときには「参加で返信してください」と依頼しています。
スケジュール調整
会合を「参加」で返信してもらったら、Googleカレンダーにその予定を入力してくれます。
会食用の店の手配
私は普段から利用している飲食店の一覧をスプレッドシートでフジ子さんと共有しています。
その中から会食用の店を予約してもらいます。
夜の会食で使う飲食店は早い時間だと店に人がいないので、夕方に予約の電話を入れようと思っても私は忘れてしまうことが多いです。
こういう時にオンラインアシスタントにチャットでお願いしておけば忘れずに予約をしてくれます。
もちろん、この予定もGoogleカレンダーに入力してもらいます。
翻訳
私はあまり頼むことはないですが、英語が得意なアシスタントさんもいます。
英語以外の言語にも対応できるとどうかは私はわかりません。
オンラインアシスタントと契約するメリット
オンラインアシスタントのメリットとフジ子さんのメリットが混在しているかもしれませんが、少なくともフジ子さんを利用すれば得られるメリットです。
本業に集中できる
これが一番ですね。
個人事業主とはいえ立派な経営者ですから、経営者は自分しかやれない仕事をやりましょう。
仕事量の調整が可能
必要なときに必要なだけ手伝ってもらえます。
翌々月の依頼する仕事量を予測して契約時間を増減可能で、もう必要無いと思えば契約を継続しなければいいだけです。
困ったときにすぐ仕事を手伝ってもらえる(サービス開始までが早い)
サービス開始を申し込んだ1~2日後に作業開始してもらえました(うろ覚え)。
秘密保持契約を締結すると書きましたが、普通に契約書を取り交わしていたら2日後から作業開始ということは不可能です。
フジ子さんとの秘密保持契約は、クラウドサインというオンライン上で契約するサービスを利用するのでサービス開始までの時間が非常に短いです。
人を雇うためのコストや手間を削減
私は求人を出したことはありませんが、求人にはコストが掛かりますし、今はなかなか応募が無いらしいですよね。
また、採用の手間も大きいです。
それらのコストや手間がほとんどありません。
その他、アシスタントさん用の机やパソコンも用意する必要もありません。
事務所を借りなくて済む
私は事務所を借りていますが、士業や個人事業主の方は自宅開業される方も多いと思います。
他人に事業を手伝ってもらう場合、その人に自宅へ来てもらうわけにはいきませんが、オンラインアシスタントに手伝ってもらう場合だと自宅で問題ありません。
家賃が掛からないだけでなく、同じ部屋にアシスタントさんがいるわけではないので服装に気を遣う必要が無いというメリットも。
担当アシスタントさんが休んでもフォローがある
普段担当してくれているアシスタントさんがお休みの日には他のアシスタントさんが代わりに業務を行ってくれます。
このような対応をするために、利用者ごとの業務マニュアルを作ってくれます。
仕事が属人化しない
上記のように業務マニュアルを作ってもらうことで仕事が属人化しないので、担当のメインアシスタントさんが退職しても次の日から別のアシスタントさんに仕事を進めてもらえます。
実際に今年の9月末に私のメインアシスタントさんが運営会社を退職しましたが、他のアシスタントさんがフォローしてくれましたので、私の業務に全く穴は空きませんでした。
将来パートさん等を雇用するときに業務マニュアルが既にできている
上記のように業務マニュアルが日々アップデートされていき、この業務マニュアルは利用者の費用で作っているので利用者のものです。
つまり、将来パートさんや事務員さんを雇ったときにその業務マニュアルを見せれば、教育の手間がほとんど掛かりません。
課金は1分単位
先述の通り、無駄がありません。
これはオンラインアシスタントのメリットというよりも、フジ子さんのメリットですね。
頼める仕事の幅が広い
直接雇用したとき、その人は経理ができてもウェブ管理や翻訳はできないことがほとんどです。
経理の仕事はもう今月は無いんだけど、ウェブの作業はあって、でもパートさんはWordPressができないからパートさんを遊ばせている、ということは、組織が立ち上がったばかりのときにはよくあることだと思います。
このようなことがオンラインアシスタントだと起こりにくく、とにかく何でもやってもらえます。
こちらからの指示内容がチャットのログとして残る
言った言わないということにはなりません。
もちろん「指示内容を忘れてやってなかった」ということにもなりません。
作業を並行してやってくれることもある
経理、ウェブ、一般調査の仕事をお願いしたとき、各アシスタントさんに手持ちの仕事が無い場合には、並列的に、すなわち3人同時に作業を行ってくれる(こともあります)。
アシスタントさんの空き次第ですが、めちゃくちゃ急いでいるときには複数人で寄って集って仕事してもらえます。
忘れないうちに作業を依頼できる
やってもらいたい仕事が発生したとき、それがたとえ夜中であっても忘れないうちにチャットワークで知らせておけば、次の日にやってもらえます。
オンラインアシスタントと契約するデメリット
- 請求書を作ってもらいたいときに、事件番号、費用請求項目、費用等をチャットワークで伝えるが、自分でそれを請求書に入力すればそれで済んでしまうので、頼み方が難しい。
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業務マニュアルを作る時間もカウントされる。
でもその業務マニュアルは利用者の資産になります。
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費用は先払い制で、契約時間を使い切れなくても次の月に繰越できない。
頑張って使い切りましょう。
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その月の契約時間以上に仕事をこなしてもらいたいときには、超過分を支払う。
そのときの時間単価は通常の1.5倍になります。ご利用は計画的に。
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月末は業務が混んでいるので通常より納品が遅くなりがち。
これは自分が計画的に仕事を頼めば問題はほぼ生じないです。
という立派なことは私はできていなくて、月末が近づくと慌ててフジ子さんに仕事を投げて迷惑をかけてます…。
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教育コストは掛かる
自分の業務をアシスタントさんに教えることに時間が掛かりますが、それは直接雇用する場合も同じ。
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アシスタント個人に不満があっても変更できない。
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意思疎通が難しいことも
アシスタントさんとWeb会議することもありますが、基本的にはチャットのみのやりとりです。
作業を行ってもらうために必要十分なだけ文字で伝えなければいけません。
でもこれも利用者が気をつければだいぶミスを防ぐことができます。私もフジ子さんへの指示のやり方について正確に伝える方法を勉強できました。
色々と書きましたが、このデメリットは直接雇用の場合のデメリットと大差は無く、デメリットを大きく上回るメリットがあるとご理解いただけると思います。
オンラインアシスタントの上手な使い方
- 業務の洗い出しをして一覧にする。
どの業務を自分が行って、どの業務をフジ子さんに頼めるかを把握します。
そしてなるべく多くの業務をフジ子さんに依頼することで、自分の時間を確保できます。
この一覧は次の段階の業務の自動化に役に立つはず
RPAを導入したいけど導入のハードルが高く、まずは今を乗り切りたいという場合にオンライン秘書サービスは適していますね。
そして、余裕ができたら自動化について考えることで、働き方改革になるんじゃないかと。
一人事務所の働き方改革って本当に大切だと思います。
- 契約時間を多めにする。
前払いだからフジ子さんを利用しないともったいないという意識を持って、事務作業を極力フジ子さんにやってもらいましょう。
最後に
フジ子さんを上手に利用することで、自分にしかできない仕事に集中することができます。
経営者にとって自分の時間が一番貴重です。
他人に頼める仕事は他人に頼みましょう!
↓無料トライアルもあります。私が申し込んだときは2時間無料でした。
必要なとき必要なだけ仕事を頼めるオンラインアシスタント【フジ子さん】