弁理士の松本文彦です。
広島信用金庫様から呼んでいただき、7月11日(金)に同信金の本店の職員さん向けの知財セミナーを行いました。
このセミナーの前半では事例を交えつつ特許や商標の基本を説明し、後半では開発補助ツールとしての特許情報というタイトルで、他社の特許情報を調べることで開発コストや開発期間を抑制できるというお話をさせていただきました。
後半の話を少し詳しく説明しますと、特許法の法目的には「保護」と「利用」があるのですが、特許というと一般的には特許権を取得する、という「保護」の面しかご存じない方が多いです。
例えば、製品を開発中の段階で具体的な技術的な問題に直面し、それが原因で開発が進まないということはよくあることだと思います。
そのとき、同業他社の特許出願の内容を見ることで、何かヒントを得られる可能性は十二分にあります。
あわよくば、そのまま真似できることさえあります。
このような内容はGoogle検索を行うだけではなかなか見つかりませんが、特許情報の中を検索すると比較的容易に見つかります。
もちろん、その会社の特許権侵害になってはいけませんから注意深く行う必要はありますが、特許権侵害にならない範囲でも参考にできる技術はたくさん公開されています。
このように、特許情報をしっかり利用することで得られるメリットは多く、特に「特許権を取ったけど費用ばかり掛かって意味が無かった」というイメージを持っている方に、是非とも特許情報の「利用」に関しては知っていただきたいです。
このようなセミナーや特許情報を活用した開発支援にご興味がある方は弊所までご連絡ください。