他社の登録商標を知らずに使い始めてしまうと、後で変更せざるを得なくなり泣くことになります。
そのようにならないために、屋号・店名・商品名・サービス名を今から新しく考える場合に、気をつけるべきポイント・注意点を商標登録の観点からお伝えします。
識別力がある名前にする
識別力が無い=その商品・サービスの中身がわかるような説明的な名前、を使いたいと思う方は多いですが、識別力が無い商標は商標登録できません。
一方、識別力が無い商標であってもロゴ化したり、ロゴを加えることで商標登録できるようにはなります。
しかし、そのようにロゴを加える等の工夫をして何とか商標登録した場合には、元々の識別力が無い名前を明らかに真似した同業他社が出てきても打つ手がありません。
つまり、ロゴを加えることで初めて識別力が出て、それでようやく商標登録が認められたわけですから、その加えたロゴまで含めて真似されないとその真似をやめさせることができません。
このようなことを考慮すると、今から付ける名前は造語とすることが一案です。
この造語としては、例えば以下のようなパターンがあります。
・意味が伝わる言葉の語尾を少し変化させる
(例)トロピカーナ、ファンタ
・2つの言葉の語頭や語尾を省略しつつ合体させる
(例)モバイルゲーム→モバゲー、Instant Telegram→Instagram、山+マップ→YAMAP
説明的な言葉には識別力がありませんが、何となく意味がわかるものであれば商標登録でき、かつユーザーに商品・サービスの内容をふんわりと伝えることができるのでおすすめです。
覚えやすく、発音しやすい名前にする
覚えやすく、発音しやすい名前が好ましいです。
初めてその名前を電話で聞いた人が聞き取れるものがいいでしょう。
おしゃれな雰囲気が重要な業種ももちろんありますが、多くの場合、聞き取れない名前をブランディングするのは骨が折れます。
少し長い名前にする
シンプルな名前にしたいとは思いますが、短い名前だと他人に既に商標登録されている可能性が高くなります。
具体的には、4音以上が好ましいと言われています。
ハッシュタグを検索してみる
そのようにして考えた名前をInstagram等の各種SNSにおいてハッシュタグ検索してみましょう。
タグってみて他に出てきたからといって、直ちに商標権が取れないわけではありません。
それが他人によって商標登録されて無い場合もありますし、商標登録されていたとしてもその他人の登録商標とは異なる商品やサービスであれば同じ名前でも商標権を取れます。
しかし、異なる商品やサービスであっても他社とハッシュダグが一緒になってしまうとタグった結果にはノイズが大きく入ります。
また、「アルファベットよりカタカナのほうがスマホで入力しやすいからユーザーはカタカナでタグるかな?」と考えれば、最初からアルファベットではなくカタカナの名前にしたほうがいいかもしれません。
これらの点も考慮してみてください。
独自ドメインやSNSのIDを取れるか
屋号や、会社のメイン事業に育てたい商品・サービスの名前である場合には、その名前で独自ドメインやSNSのIDを取れるかも確認したほうがいいですね。
但し、上記の他のことに比べるとこれはどうにか工夫ができますので、優先度が低いかもしれません。
最後に
ちょっとしたネーミングのコツで他人の登録商標と被る可能性を下げることができます。
他社の登録商標を調査せずに自社の屋号等を付けた後、その他社から警告が来て「思い入れがあるんです!」と言っても言い訳にすらなりません。
コツコツ育てることができる名前の候補をJ-PlatPatで調べて、同じような商品・サービスで他社の登録商標が無い場合には商標登録してブランドを育ててください。
ChatGPTに商標を考えてもらっても面白いですよ。
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