発明をして特許出願が完了した後、その発明を自社で実施していると改善点が出てくるものです。
改良発明ができたときにそれ単独で別の特許出願することもできますが、先に行った基本発明の出願と改良発明の出願をまとめることができます。
それを国内優先権の主張を伴った特許出願といいます。
事例
例を見てみましょう。
従来は肘掛けが無いイスだけが世の中にあると仮定して、このたび肘掛けイスαを発明して特許出願Aをしたとします。
これだけでも十分いい発明&特許出願なのですが、特許出願後に「肘掛けを上下に調整できるとより便利じゃない?」と気付いて、そのような肘掛けイスβを発明する、ということはよくあります。
イスαとイスβは関連した発明ですから、1つの特許出願にまとめておいたほうが管理しやすそうです。
そのようなニーズがあること等の理由から先の特許出願Aから1年に限り、基本発明:イスαと改良発明:イスβを1つの出願にまとめた特許出願Bをすることができます。
国内優先権主張の効果
このように、国内優先権を主張した特許出願を行うことで一連の発明について包括的で漏れの無い権利取得が可能です。
1つの出願にまとめたわけなので特許出願Bだけあればよく、先の特許出願Aはしばらくしてから取下げられたものとみなされます。
しかし、特許出願Bにおいてイスαの新規性等の判断基準時は特許出願Aのときと扱われるので不利益はありません。
また、審査請求も特許出願Bに対してのみ、一度で済みます。
国内優先権という制度を頭の片隅に置いて出願後に生産・開発を行うことで、改良発明が生まれたときにさらによい権利を取れるかもしれません。
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